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2013.02.22

 TDBが実施した景気動向調査(1月調査)によると、景気動向指数は38.0で2カ月連続の改善(前月比2.3ポイント増)、震災直後の2011年7月以来の大きな改善幅となりました。この背景には、安倍内閣が掲げる「アベノミクス」によるデフレ脱却への期待感があります。

 すでにアベノミクスを構成する3本の矢のうちの2本、政府の大型補正予算や日銀によるインフレ目標2%の導入などがすでに動き出しています。今後の注目は、いわゆるカンフル剤的なこうした施策が効いているうちに、3本目の矢である「民間投資を喚起する成長戦略」を軌道に乗せ、企業収益や賃金などの実体経済に波及させられるかにあることは異論がないでしょう。

成長戦略×薬事法改正?

 今年6月をめどに策定される新たな成長戦略において、安倍首相は規制改革の推進を一番の柱として号令を発しています。具体的な対象として「健康・医療」や「エネルギー・環境」、「雇用」、「創業および産業の新陳代謝」があげられ、医療機器や再生医療製品の審査期間の短縮など、国内のメーカーの新規参入を妨げている薬事法について改正の検討が動き出しています。

 ただ、こうした規制緩和は、各省庁や業界団体の利権が絡みあっていることが多いのが実状です。実現の成否については、一にも二にも、安倍首相の強いリーダーシップにかかっているといえるでしょう。

キーとなるのは自治体と企業の連携

 他方、地域の成長戦略に目を移しますと、地域の規制緩和策として総合特区制度が推進されています。2月15日には神奈川県や静岡県、岡山市をはじめとする5つの地域での地域活性化総合特区の指定が発表されました。これにより、同特区については制度開始以降、37の地域が指定を受けました。同特区制度は、今後の全国的な展開に向けた試金石としての役割だけでなく、地方分権を加速させるための重要な役割を果たすともいえるでしょう。

 こうした地域発の成長戦略を進めるうえでも、課題はもちろんあります。そのひとつに、情報の収集・発信があげられます。
 例えば、地域の成長を担う企業に対し、自治体が提供できる施策や検討すべき施策は多くあるはずですが、自治体と企業の連携は一部にとどまり有効に機能していないことが見受けられます。
 また、届けたい情報を求めている先に届けられないというジレンマを抱えている自治体は少なくありません。自治体と企業が連携を今以上に強め、情報をスムーズに流す仕組み作りは、成長に向けたカギの1つといえるでしょう。

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