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  • コンサルティングの現場から~6:「経営者が陥りやすいISOに対する誤解」

2016.05.28

 前回のコラムでは、「組織と仕組みで実践するマーケティング」について触れました。どのような働きかけをすれば、自社のビジネスメッセージを伝えることができるのか。そこを考え、定義し、社内に共有することで企業をもう一段高いステージに成長させることができることをご理解いただけたでしょうか。
 さて、あまり知名度はありませんが、帝国データバンクは各種ISO規格の認証取得支援においては、国内有数の支援組織でもあります。
 それはなぜか?は後述いたしますが、コンサルティング支援の一環で経営者の方とお話し、話を聞く中で感じている「経営者が抱いているISOに対する誤解」をこの場を借りて共有させていただきます。
 なぜならば、その「誤解」は、自社をよりよくしたいと考える経営者にとっては「もったいない」状態を生んでいる可能性が非常に高いからです。

経営者の誤解の源泉は?

 ISOと一言で言っても、昨今ではその規格数も増え、ISO9001(品質)、ISO14001(環境)、ISO27001(情報セキュリティ)、ISO22000(食品安全)などなど沢山の規格があります。
 今回は、最も国内での認証取得数の多いISO9001(品質)を例に挙げながらお話したいと思います。
 まず皆さんに質問します。ISO9001(品質)と聞いて、どのような企業がどのような目的を持って認証を取得されていると思いますか。
 こんな質問を訪問時に経営者にさせていただくと、多く返ってくる答えとしては「品質の規格だから製造業・メーカーさんでしょ」、「規模の大きな大企業や中堅企業がとっているイメージがある」とか「持っていないと、元請メーカーから発注してもらないから渋々とっているのでは」などが主な答えとしてあがってきます。
しかし残念ながら、これら全てが経営者の誤解なのです!

 どのあたりが誤解なのかというと、「品質の規格=製造業向け」でしょ?という認識がよくある誤解のスタートラインなのではないかと日々感じています。
 確かに、ISO9001の規格ができた当初は「製造業向けの品質規格」でした。しかし、ISO9001はその後改訂を重ね、現在ではその「品質」が指す意味が変遷してきています。
 現在のISO9001が指す品質とは「顧客品質」というより大きな概念となっています。このあたりの情報がメンテナンスされていないと、「ISO9001は製造業のもの」という思い込みの殻をやぶることができません。

なぜ製造業以外の取得支援件数の堅調なのか

 現に、昨今の認証取得企業の内訳を見ていると製造業以外の取得が増えています。帝国データバンクの支援先だけの話でいうと製造業以外の卸売業やサービス業、小売業などの取得が堅調で、非常に支援件数が増えています。
 このあたりが、弊社がISOの認証取得支援機関として、日本有数の支援シェアを保持し続けている要因かも知れません。
 要するに、他の支援機関が「製造業向けに製造品質規格としてISO9001に認証取得を提案している」のに対して、帝国データバンクは、「業種を問わず、企業規模も問わず、自社をよりよくしたいと願う経営者に対して、顧客品質を高める仕組みとしてISO9001の活用を提案している」ということです。ここの差が、提供する付加価値の違いにもつながっていると感じています。

ISO9001で高めることができる「顧客品質」とは?

 では、「顧客品質」とは何かを簡単にご説明したいと思います。以下の図1を対比しながら見ていただくと分かりよいかと思います。
 上段の「昔のISO9001」は正しく「製造物の品質」を高めるための国際標準規格で、「製造プロセス」がその対象です。
一方、下段の「TDBが提供するISO9001」は、「顧客品質」を高めるために「企業が付加価値を生み出すプロセス全般の品質」が対象となります。大きく捉えると「顧客ニーズが顧客満足に変換される過程」すべてが対象です。
 INPUTからOUTPUTまでのプロセス全ての品質が高くないと、お客さまに提供する品質を高めることができませんよね。
これが、最新のISO9001が製造品質ではなく、「顧客品質」を高めるために活用される仕組みづくりのツールである所以です。
 よって「顧客品質」=「経営品質」と言い換えても過言ではないのです。国際標準規格を活用して自社の経営品質を上げる仕組みづくりがTDBの提供するISO9001認証取得支援と位置づけています。

中小企業に圧倒的に不足しているC(検証)とA(改善)の仕組み

 ISOのマネジメント規格の認証を受け過程で、組織の中にP(計画)→D(実行)→C(検証)→A(改善)の仕組みを構築していくことになります。
もともと、日本の中小企業は、【P(計画)とD(実行)】だけをトコトン繰り返すことは得意な企業が多いが、【C(検証)→A(改善)】の仕組みがある企業はかなりの少数派と言われています。
 PとDだけの企業とは、期初に「よーし!今年は年度目標として○億円目指すぞ!」と計画を立て、年間を通してただただ実行するという業務の進め方になります。途中で多少振り返っても順調か順調でないか、目標を達成したかしなかったかの確認程度で、「検証し、改善する」ことがないため、未達成に終わった計画であったとしても、次年度も似たような計画を立て、またひたすら実行するという「行き当たりばったりの経営」になりがちです。
 ISO9001の構築と認証を取るということは、中小企業に不足しがちな「検証(C)して改善(A)する」という仕組みを補うプロセスであると言えます。

「会社が毎年よりよくなる仕組み」としてのISO9001

 前回のコラムで「仕組み化」することが、会社の経営品質を高めることにつながるということに触れました。ISO9001を誤解なく理解いただき、その認証・構築プロセスを正しく活用することできれば、「会社が毎年よりよくなる仕組み」が構築され、経営品質向上が実現できるのです。
 帝国データバンクがご支援しているお客さまに「単なるライセンス目的」の認証取得される経営者は殆どいません。皆さん、最初の動機は様々ですが、よし!やろう!とご決断されるときの理由は、「会社の経営品質をよくする仕組みづくり」に認証が付いてくるということが99%のお客さまの取り組まれる理由です。
 支援のスタンス、構築のプロセス次第で、お客さまへ提供できる付加価値が大きく変わってくると痛感しています。ご興味のある方は、一度最寄の弊社支店担当へお問い合わせください。


次回テーマは、「経営者視点で選ぶならPマーク?ISO27001?」です。
 
 
 

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