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  • 営業組織を強くする2つの観点6つのチェックポイント

2014.06.11

「もっと成果の出せる組織にしたい」というのは営業組織を抱える企業様であれば当然の思いではないでしょうか。しかし、現実にはなかなか前に進まないケースも多いようです。

「今より売るなんて、人員を増やしてもらわなきゃムリですよ。」
「結局、人によってやり方って違うじゃないですか。」
「育成している“暇”がないんです。」
「売れている人? やっぱり経験とセンスじゃないですかね。」

 現場からはそのような声が聞こえてきます。
 現状維持または衰退の途を辿る組織で耳にする典型的な台詞です。このような組織では往々にして、「過去踏襲型」の戦略、「一匹狼型」の風土、「経験偏重型」の人材育成となっているケースが見受けられます。組織として高い成果を上げていくためには、2つの観点から組織を見直すことが必要です。

観点1)戦略的組織づくり

 如何に努力を重ねようとも、戦略や戦術が適切な方向に向いていなければ成果は望めません。特に環境変化の激しい現代においては、過去の方策が必ずしも最適ではなくなっていることが多々あります。企業の成長ステージ、市場や競合などの外部環境、今後のビジョン、等を踏まえ、組織づくりの在り方もアップデートしていかなければなりません。主なチェックポイントは以下の通りです。

☑効果的なターゲティング
 組織作りの前提として、ターゲットが明瞭かつ効果的に設定されているかをチェックする必要があります。曖昧なターゲット設定や広く万遍ないターゲット設定では、営業活動を効率的に進めることは困難でしょう。一般には、売上や利益の構成比を分類し比重を分析する手法などが用いられますが、市場の規模・成長性・奪取可能性などを総合的に考慮し、重点を定める必要があります。更にはその認識が組織内に浸透している必要があります。

☑最適な組織構造づくり
 設定したターゲットへアプローチするために最適な組織構造になっているかをチェックする必要があります。活動効率やナレッジ共有の可能性などを考慮し、時には抜本的な組織再編を行うことが望ましいケースもあります。商品別なのか、エリア別なのか、市場属性別なのか、並列型なのか、ピラミッド型なのか、本部機能はどの程度必要なのか、組織内での役割分担も踏まえて決定する必要があります。

☑適切なKPIの設定
 組織としての活動や管理を効率的に行うため、KPI(Key Performance Indicator)を設定し進捗をチェックすることが必要です。単に売上や利益などの結果指標を見るだけでなく、そこに至るためのプロセスとしてどのような活動がどの程度に必要なのかを設計して管理します。評価制度とも連動していれば望ましいことでしょう。一方で、成果に直結する活動を圧迫するような過剰なプロセス管理は弊害にもなりますので注意が必要です。

観点2)ナレッジマネジメント型人材育成

 変化に乏しく右肩上がりの市場であれば、前例踏襲・経験主導の育成は相応の成果をもたらすことでしょう。しかし、多くの業界においてはそれでは通用しない現状にあるのではないでしょうか。一般には、市場から求められる要素も、情報化の進展やサービスレベルの高度化などを背景に、日々進化していっています。そのような中で、如何にスピーディに学習し続けられるかが今後の勝敗を決していくと言えることでしょう。学習量を確保するためにも、単なる「個の集合」ではなく、「組織」として機能させられるかが試されています。

☑持続的な成長意欲
 そもそも各自が成長意欲に乏しい中では、成長など望めないことは明らかでしょう。「このままでは十分でない」という適度な危機感があり、「自ら変えていく」という主体者意識が醸成されていることが望まれます。そのためには、上述のような現状を的確に認識しておく必要があることでしょう。また自組織の理想像(将来像)が共有されているというのも一つのエネルギーとなります。

☑共有を促進する共通言語
 意外なことに、同じ言葉を使っていながらも実は認識が共通でないというケースは多々あります。例えば、「見込」の捉え方が違っていたり、「商談力」「顧客心理」といった曖昧な言葉がそのまま使われていたり、「セールスステップ(セールスプロセス)」という言葉が内実の異なるイメージで語られていたり…。言葉が噛み合わなければ会話は噛み合いません。会話が噛み合わなければ当然ナレッジの共有は成り立ちません。共有を促進するためには言葉の認識を共通化しておくことが必要です。

☑実践的な成長機会
 「年に一回社内研修がある」「外部での講演への参加を推奨している」「書籍購入費用を負担している」といった話をよくお聞きしますが、学習・成長のスピードを上げていくことを考えれば、これでは十分とは言い難いことでしょう。革新的な企業においては、業務時間の10~20%を通常業務外の活動に充てることを推奨する(或いはルール化する)といった例もあるようですが、営業組織においても、日常の中に営業実務以外の成長機会を意図的に設定していくことは重要と言えます。短時間であっても実践的かつ多頻度な機会が望まれます。

まとめ

「勝ちに不思議な勝ちあり、負けに不思議な負けなし」という言葉があります。営業組織の伸び悩みを感じ、「もっと成果の出せる組織にしたい」「人材の育成スピードを高めたい」といったお考えをお持ちの企業様におかれましては、まずは上述の2つの観点6つのチェックポイントを再確認してみては如何でしょうか。

クールロジック株式会社 シニアコンサルタント 石下徹氏

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