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階層別教育研修を考える(部下育成編5)

2015.03.05

 「シリーズ:階層別教育研修を考える」、第十一回は「年上部下との関わり方」です。

1.年上部下との関わり方へのニーズ

 私は、年間200日以上の研修登壇をしておりますが、その大半は「管理職・リーダー層向け」の研修です。部門戦略立案、目標管理、部下指導育成、リーダーシップ発揮などお客さまのご要望は多用ですが、昨今、お客さまから頂くご相談として、「年上の部下をどう扱うか?」というテーマが増えてきています。

 従来の管理職研修は、その前提として「上司は部下より年上」「部下は若手の男性」と想定されていました。そのため「部下を評価する」「部下を育てる/指導する」といった、「上から目線」のフィルターが掛かっていました。

 ところが、近年では成果型人事制度の定着とフラット化組織の影響から「人事制度上の等級は下だが、年齢は上」という年上部下が当たり前になりつつあります。
 特に、定年年齢の引き上げや再雇用などで、元上司が部下になる、といったケースなどでは、現場の管理職が年上部下に遠慮をし、職場内に負の影響が出ることもあるようです。

 そうした背景から、現場管理職側から「年上部下との関わり方」について教えて欲しい、という要望が出始めているのです。

2.自分自身の役割

 たしかに、自分よりも年上の部下を褒めたり、ときには叱ったりすることは、少し腰が引ける管理職も多いでしょう。しかし、そもそもの「管理職の役割」を考えると、年上の部下でも年下の部下でも、基本は変わらないのです。

 管理職とは「部門の目標を達成させる/目標を達成し続ける体制を整える」ことが役割です。部下との日常の関わりも、方針を出したり評価をしたりすることも、その役割を遂行するための手段に過ぎません。年上部下に気を使い、本来の役割を遂行できなくなってしまえば、本末転倒です。
 まずは、自分自身の役割について、しっかりと自覚をすることが大切です。

3.年上部下の扱い方の注意点

 その上で、年上部下の「扱い方」については、注意点が必要です。
多くの管理職は、年上部下に指示を出したり、部門方針に従わせようとすることは、上から目線であり、嫌がられるのではないか?あまり管理をしようとしないほうが良い、と考えがちです。
 しかし人は、50歳になっても60歳になっても「他者から認められたい」と願うものです。年上部下も例外ではありません。前回のコラムで紹介したように、「あなたがそこにいることを私は認めていますよ」という存在承認をすることが、管理職の重要な仕事です。年上部下に対しても、しっかりと存在承認をしなければなりません。
 その「存在承認の仕方」が年下部下とは違う、というだけなのです。

4.キーワードは「Iメッセージ」

 年上部下の存在承認の仕方、そのキーワードは「Iメッセージ」です。

 「○○さん、忙しいのは解りますが、面談報告書だけはしっかりと入力してくださいね」
この指示の出し方を「Youメッセージ」と言います。
 「私は、あなたに対して○○をしろ、と指示を出す」という形式です。年下の部下は、このようなYouメッセージを当たり前として受け止めますが、年上部下、特に元上司など「もともと自分より目上だった部下」の場合は、「お前もずいぶん偉くなったな」などと返してきたりする場合があります。

 上記を「Iメッセージ」にすると
 「○○さん、忙しいとは思いますが、面談報告書を入力してもらえると、(私は)大変助かります」

 つまり「~ください」という依頼形式で終わるのではなく、「助かります」「ありがたいです」といった「私の気持ち」で終わる形式にすると、年上部下も受け入れやすくなります。

5.褒める・叱る時には

 これは、褒める・叱る時も同じです。

【褒める】
Youメッセージ:「これは良いレポートですね。良くやってくれました」
Iメッセージ:「これは良いレポートですね。(私も)大変助かります」

【叱る】
Youメッセージ:「○○さん、ちゃんと面談報告書を入力して下さいよ」
Iメッセージ:「○○さん、ちゃんと面談報告書を入力して頂かないと、(私が)困ります」

 年上部下は「成果はともかく、ビジネスマンとしてのキャリア、人生の経験値はオレのほうが上」といった自尊心、自意識を持つものです。
 これは、人として仕方のないことです。上から目線で評価をしたり叱ったりしては、自尊心を傷つけ、関係を悪化させるだけです。Iメッセージで自分の気持ちを伝えることで、相手の自尊心を承認しつつ、仕事を依頼したり、行動修正を促したりすることが出来るのです。ぜひ、試してみてください。

 シリーズ「階層別教育研修を考える」も第11回を終え、管理職研修の内容までをご紹介しました。
次回からは、「営業力強化を考える」を考えたいと思います。


株式会社グローネス・コンサルティング 代表取締役 為広雅夫

 

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今回の質問

【問146】法人の組織変更として認められていないものは、次のうちどれでしょうか。

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