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  • 営業力強化を考える(3.B2B営業の営業フロー)

2015.09.07

第3回目のコラムでは、B2B営業の営業フローについて、考えたいと思います。

1.営業フローとは

「営業フロー」という言葉は、聞き慣れない言葉かもしれません。
簡単に説明しますと、営業フローとは「初回面談から購入決定までの流れ」のことです。
企業によっては、営業フローのことを「カスタマー・リレーションシップ」と呼ぶ場合もあります。

営業フローを明確にすることで「自分の営業活動が、現在どのステージにいるか」が明確になります。
それにより「次に何をしたら良いか?」を把握することが出来るので、営業活動が効率的になります。
営業マネジャーも、部下指導をしやすくなり、半期・1年を見据えた営業計画も立てやすくなります。

このように聴くと「我が社も営業フローを明確にしたい」とお考えになるのではないでしょうか?
しかし一方で、営業フローとは具体的にどのようなものか、イメージがまだつかないという方も多いと思います。

2.営業フローのイメージ

図1 『新規開拓を行うB2B営業』の営業フロー
図1は『新規開拓を行うB2B営業』の営業フローをイメージしたものです。

横軸:営業活動上に発生する「イベント」
縦軸:各イベントの「定義」、「お客様からの期待」、「営業がやること」、「管理職がやること・注意すること」

上記のような構成になっています。
営業活動上発生するイベントは、業種・業界によって異なりますが、「一般的営利法人への営業」を想定すると

1.ターゲティング:どの企業を開拓したいか、リストアップをする(ターゲット顧客への与信調査など)
2.アプローチ:窓口開拓活動(電話アポイント、面談依頼状、飛び込み、紹介等)
3.初回面談:自社紹介を行い、お客様に継続訪問の了解を得る
4.ニーズ把握:お客様のニーズ(何かを変えたい、あるいは達成したいという要望)を把握する
  ※業種によっては、複数のお客様(「工場責任者」「購買担当者」等)にヒアリングが必要な場合もある
5.提案:お客様のニーズを満たす自社商品・サービスを提案する
6.受注促進:提案内容修正や追加資料の紹介、技術者からの具体的説明、購買担当者との価格交渉など
7.受注:契約締結と納品に向けての打ち合わせ
  ※業種によっては「サプライヤーとの交渉」などが入る場合もある
8.納品後:使用の感想を聴くとともに、改善点などの情報を収集する
9.リピート活動:さらなる取引拡大に向けてのニーズ把握活動

上記のように、時系列でイベントを並べ、各イベントを定義することで、営業は次に何をしたら良いかが解るようになるのです。

3.営業フローの見える化

図2『営業指標』
図2のように、各イベントの「現在の件数」を把握し、その変化を追跡することで、部下の課題も見えてきます。

営業フローを作成する方法としては、ベテランの営業数名に集まってもらい、どのようなイベントがあるか、そこで何をするべきか、などを話し合い、模造紙に書きだすのが良いでしょう。
手間はかかりますが、一度作成をしてしまえば、他の営業も参考にすることができるので、営業全体のレベル向上が期待できます。

また、外部のファシリテーターを呼んで会議の司会進行をしてもらえば、営業からまんべんなく意見を収集でき、「誰かの営業手法に偏る」ということも無くなります。
帝国データバンクでは、こうした「ファシリテーター」も派遣をしています。詳しくは担当営業までお尋ね下さい。

次回は「ターゲティング:売れる顧客の見つけ方」について書きたいと思います。


株式会社グローネス・コンサルティング 代表取締役 為広雅夫

 

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