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  • 業界情報の収集方法 ~インターン・サプライズ~

2019.07.04

[企業審査人シリーズvol.188]

ウッドワーク社では、新卒採用活動として1週間程度のショート・インターンを実施しており、インターン生を継続的に受け入れている。今週は審査課でも1名を受け入れ、青山がチューターを務めた。企業のインターンに参加するのが初めて、という天野さんは、見るからに快活な印象の女子大生で、インターン中は課長の中谷にも可愛がられていた。インターンも終盤の木曜日の夕方、青山と天野さんでその日の振り返りを終えた後、天野さんが青山に質問した。
「青山さん、今日もありがとうございました。専攻が会計なので、実際の決算書がどのように見られているのかを体験ができて、とても勉強になりました!ただ、自分の就職先を選ぶときにはまだ軸が定まってなくて・・・」
「まだ焦らなくていいんじゃない?いろんな企業を見て、少しずつ自分の意思を固めていけばいいよ」
「そうなんですけど、よく業界とかそのトレンドを研究しなさいと言われて、私は個別企業の会計ばかり見てきたせいか、あまりピンと来なくて・・・。最近になって経済新聞は読み始めたんですが、もっと基礎的なマクロ経済の状況を知るのに、何か良い資料や手段ってあるのでしょうか?」
「なるほど。景気が良いとか、人材不足とか言われてるけど、学生だとあまり実感がわかないよね。僕も建設業界で仕事をしていることになるけど、他の業種の状況はあまり知らないので、業界別のレポートなどで調べることもあるよ」
「そのとき、例えば、どのようなものを参考にされていますか?」
「ネット上で参照できるものだと、金融機関が産業情報や業界動向に関するレポート、マーケット情報などを定期的に更新しているから、そういうものを見ることが多いかな・・・」
「そうなんですか!銀行とはATMを介して通帳上でのお付き合いしかないので、知りませんでした・・・」
「メガバンクはどこも総研を持っていて、いろんなレポートを発信しているよ。国内にとどまらずアメリカや中国の景気動向に言及するレポートもあったりするから、広い視野で経済の近況を把握するにはオススメだね」
「海外まで広がると大変そうですね!青山さんも海外のことまで調べることがあるんですか?」
「いつもじゃないけど、輸出関係では海外の動きも頭に入れておく必要があるからね。ウッドワークでも国内の高級木材を輸出しているので、現地の富裕層の消費動向とか企業の設備投資に対する姿勢などはざっくりチェックしてるかな」
「業種もいろんな業種があって大変そうですけど、青山さんはどこまでチェックしているんですか?」
「与信の実務上は、建設資材卸として建設業や不動産の動向はしっかりチェックしているね。基本的には得意先の審査だから、得意先が身を置く業界を調べることになる。それ以外の業種についてはあまり深く調べることはないけど、ざっと業界天気図をチェックすることもあるよ」
「ネットでちらっと見たことがあります。天候のアイコンで表現されているので、善し悪しがすぐわかりますね」
「そうそう。最近はパッと見て、晴れが多いから全体的に景気が良さそうだ、と分かるよね。また、近い業種を比べて勝ち負けが捉えやすい資料だね。最近はとくに観光業の環境が良いみたいだね」
「東京オリンピックも控えていますし、今年のゴールデンウィークは改元も絡んでどこも混雑してましたね」
「そうだね。僕は遠出せずに、地元で過ごしてしていたらあっという間に連休が終わっちゃったけどね・・・」
「業界を絞って動向を確認したい場合は、どのような資料があるんでしょうか?」
「たとえば、調査会社が定期的に出版しているレポートの資料があるけど、こちらはちょっと専門的というか、もう少し踏み込んだ内容になってくるし、市販されていないものも多いからね。就職用の業界読本みたいなものが一番手軽なんじゃないかな。あとは、興味のある業界はまず業界地図で主要企業をチェックして、代表的な企業を個別に調べてみるといいかもしれないね」
「大学のレポート作成の時に上場企業の有価証券報告書を参照しましたけど、ページ数が多くて大変でした。冒頭の概要部分でギブアップしてしまいました・・・」
「僕もさすがに全部は読んでないよ。株主総会招集通知とか、決算説明資料とか、そういう資料の方がわかりやすい。個人投資家向きだから、天野さんが見ても面白いと思うよ」
「それは株主にしか配布されない資料じゃないんですか?」
「いやいや、上場企業のホームページではIR情報として公開されているケースが多いから、気になる企業があったら検索をかけてみるといいよ。IRに力を入れている大企業では、『統合レポート』といって財務情報だけでなく、重要な課題や具体的な取り組み、コンプライアンスに対する姿勢なんかを幅広く、グラフィカルに説明した資料を作成しているから、探してみるといいよ」
「そうなんですね。ありがとうございます!最初のインターンが御社で良かったです」
「天野さんのような人は是非ウチに、と言いたいところだけど、新卒の就活はいろんな会社を見て回れるまたとないチャンスだから、いろんな会社を見てまわって、自分で納得できる選択をしてね」
先輩らしいことを言う青山に、天野さんがふと思い出したように聞いた。
「そういえば青山さん、ユニバーサル貿易という会社にいる七瀬さんをご存じですか?」
青山の顔が2秒ほど混乱し、3秒ほど凍り付いて、5秒後にようやく言葉が出てきた。
「えっ?天野さん、七瀬さんと知り合いなの?」
「七瀬さん、私の大学の先輩なんです。といっても七瀬さんが院生の時に私が1年生だったんですけど、今でも連絡をとってて。昨日、インターンの話をしたら、七瀬さんが青山さんを知ってて、ビックリしました!」
「えーっと、どんな話を聞いたのか、教えてもらえるかな?」と、そこから青山の尋問が始まったのだった。

業界情報の収集

 与信管理では個別企業の分析に焦点を当てますが、その背景を理解したり、動向を予測したりする上では業界動向の把握が欠かせません。経済新聞はもちろん、各総研のレポートなど情報源は多岐にわたり、今はネット上でもそうした情報を入手できます。また、営業担当にとっては当たり前ですが、業界知識はその会社の経営者や担当者と話をする上では必須です。その会社の人たちと話をすることが一番活きた情報の入手になります。与信管理担当であっても、紙やネットだけでなく、外に出て人の話を聞く機会を多く持ちたいものです。

TDBの業界天気図とTDB REPORT/業界動向

「業界天気図」は世間一般に多数ありますが、TDBでも定期的に作成し、その展望やポイントをリリースしています。業界天気図とは、企業業績や各種統計データ、業界ニュースなどから、各業界・分野の展望を天気図として、「快晴/晴れ/薄日/曇り/小雨/雨/雷雨」の7段階に分類したものです。100業界198分野と細かい区分で算出しているのが特徴です(詳しくは、2019年3月の動向調査をご参照ください)。またTDBでは膨大な企業情報をもとに、業界の動向や注目ビジネスを特集した総合経営情報誌「TDB REPORT/業界動向」を出版しています。デジタル版もリリースしていますので詳しくは案内ページをご参照ください。

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