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2019.09.09

ジェイプロジェクト硬式野球部
~SUPPORTERS スポーツを支える企業~

みんなの情熱をひとつに ハードワークを厭わず 
ジェイプロジェクト硬式野球部(名古屋市)

我が国で最もメジャーなスポーツのひとつである野球。愛知県は、プロ野球黎明期から歴史を紡いでいる中日ドラゴンズや、高校野球でも数多くの強豪校が存在し、「野球王国」の名にふさわしい地域である。

大学や社会人などアマチュア野球も盛んであるが、そのなかでも異彩を放つ(株)ジェイグループホールディングス(東証マザーズ上場)が手がけている「ジェイプロジェクト硬式野球部」について取り上げる。 (名古屋支店 情報部)

吹きすさぶ逆風のなか

我が国のアマチュアスポーツを下支えしてきたのは、各企業が運営している実業団チームである。しかしバブル崩壊後、とくにリーマン・ショック以降は撤退や廃部が相次いだ。会社の経営合理化のため、つまりスポーツチームはコスト部門と見做されていたためだ。

社会への還元は企業として果たすべき責任のひとつではあるが、それが経営を傾かせる要因になっては本末転倒である。練習場や試合会場の確保、用具や消耗品の調達などさまざまな費用が掛かるが、人件費の負担も大きい。そのコストに見合う分の広告宣伝効果が得られるかどうかがいわば分岐点になるわけだが、どうせ同じ金額を掛けるなら全額広告にという考え方も間違いではないだろう。ただ、企業がスポーツに取り組むことは、それ以外に得られるものはないのだろうか。

(株)ジェイグループホールディングスは、現代表の新田二郎氏が1997年3月に設立。居酒屋などの飲食事業を展開し、2006年11月には東証マザーズに上場を果たすなど急成長を続け、2012年にホールディングス制に移行。現在は、(株)ジェイプロジェクトなど連結子会社13社を含めグループは15社を数え、「芋蔵」「猿Cafe」をはじめ、「博多かわ屋」など73業態148店舗(国内146店舗、海外2店舗、2019年2月末日現在)の運営の中心的存在となっている。

こうしたなか、2009年4月に「ジェイプロジェクト硬式野球部」は産声を上げた。折しもリーマン・ショック後の不況の真っただ中のことだ。バブル経済崩壊以降、企業スポーツは逆風に晒された。野球とて例外ではなく、熊谷組やプリンスホテルのほか、河合楽器や日産自動車など、社会人野球の最高峰の大会である都市対抗野球や日本選手権といった大会で優勝経験のある名門チームも相次いで休廃部に追い込まれていった。

成し遂げる力、やり遂げる意思

新田社長が野球部設立に動いたのは、こうした逆風もひとつの動機となった。高校や大学では芽が出なかったが社会人野球を経験したことで実力が開花し、その後日本を代表するような選手になるというケースは数多い。遅咲きの才能を道半ばで枯らせてしまっていいのか……。スポーツを、アスリートを支えたいという新田社長の熱い思いがそこにはある。

幼い頃からスポーツに打ち込んでいると、「レギュラーになりたい」「全国大会に出たい」という明確な目標に向けて努力を続けることが体に染みつくようになる。もちろん、すべての人が成功するわけではないが、高校の3年間、大学の4年間を目標に向かってやり抜いた意思の力は社会に出てからも大いに助けとなる。さらに、それがチームスポーツであれば、仲間のため、チームのためという思いも経験も持っている。居酒屋の店舗運営はまさにチームワークだから、そこに強みを持つ社員がいることで店舗も強くなれるわけだ。

また、様々な競技があるなかで野球が選ばれたのは、前述の環境とともに新田社長自身が野球が好きというのも大きいのだが、同じチームスポーツでも「例えば、ラグビーやサッカーはどちらかというと冬がメインになる競技ですが、居酒屋にとってはまさに書き入れ時。逆に野球はオフシーズンになるので、仕事との両立という点でも野球はぴったりだったのです」(新田社長)というのもポイントだ。

元プロも驚くハードワーク

選手は練習と本業の両立という過酷スケジュールをこなす
「ジェイプロジェクト硬式野球部」は2009年に創部後、わずか4年で都市対抗野球に出場するという快挙を成し遂げる。既にプロ野球選手を2名輩出するなど、本業に負けず劣らずのスピードで成長を続けている。強豪ひしめく東海地区では予選を勝ち抜くことが難しく、以降は檜舞台からは遠ざかっているものの、プロアマ交流戦ではプロの二軍を破るなどチーム力は着実に向上している。

企業スポーツの場合、社員という立場ではありながら大半を練習などに費やす選手が多い。しかし、当社の社員は、午前中に練習をしてから本業として店舗に出勤するという過酷なスケジュールをこなしている。

現在、監督を務める大石大二郎氏は、近鉄バファローズ(当時)で選手として活躍し、その後オリックス・バファローズで監督を務めるなど、プロ野球でも十分な実績を持っている人物だが、その彼をして「これだけの練習をした後に仕事に行くというのは、すごいこと」と驚くという。

そして、そういう頑張りを間近で見ているほかの社員たちは彼らを心から応援するようになり、その応援に選手たちは感謝し、野球ではもちろん、店での仕事でも頑張れる。こうした好循環がさらなる結束力を生み、店舗運営の現場で発揮されるのだ。

応援もまた社会人野球の見せ場のひとつ。チアリーディングやブラスバンドなど、各チーム(企業)が工夫を凝らした応援スタイルは、プロ野球とは違った華やかさがある。チームによっては、大学の吹奏楽部に依頼をするなど外部委託をするケースもあり、大きな舞台で表現ができる貴重な場となっているが、当社では応援部も自前だ。もちろん、野球部と同様、本業との“兼業”である。都市対抗野球のような全国大会ともなると、大手は1万人、2万人を動員する。当社では応援部を中心に4000人を試合会場である東京ドームに連れて行ったとのこと。従業員規模を考えればそれでもかなりの数ではあるが、人数では勝てなくても、普段は離れたところで働いている仲間を思うひとりひとりの気持ちは届いていたのではないか。

心の社旗を

地元と触れあいの時間もある
野球部の運営コストは決して安くはない。現在58名の部員に対し、ユニフォームをはじめバットやグローブなどの用具類を揃えたり、試合や練習場を確保したりするにも費用が掛かる。実際、株主総会の場では野球部の費用面についての質問が飛ぶこともあるのだそうだ。しかし、新田社長が自身の言葉で説明をすると最終的には拍手で迎えてもらえるとのこと。昨今、物言う株主への対策に頭を悩ませている企業は多いが、経営者が目に見える形で自分の言葉を語ることで伝わるものがあるのではないか。

「『心の社旗』がほしい。そう考えました」と新田社長。
会社が成長し、従業員が増え営業エリアが広がっていくなかで、みんなの情熱がひとつになれる存在として、硬式野球部を立ち上げた。経済的な理由で大学に進めないために競技継続を諦めなければいけないような人、遅咲きの才能を磨き続けている人、そういった人は野球に限らずいるはずだ。「弊社のような中小企業でもやっていけるから、沢山の会社が企業スポーツに参加してほしいと思います。実際、東海地区でも弊社の後を追って参加企業が増えたので、もっと企業スポーツを盛り上げていきたいですね」と話す新田社長が抱いている企業スポーツへの熱い思いは、新たな競技にも向けられる可能性はあるが、もしそのときが来たらそれはきっとチームスポーツとなるだろう。みんなでひとつになるために。
ジェイプロジェクト硬式野球部
■運営会社 株式会社ジェイグループホールディングス
■所在地 名古屋市中区栄3-4-28
■代表取締役 新田 二郎氏
https://www.jgroup.jp/index.html
■ジェイプロジェクト硬式野球部 ホームページ
http://www.jproject-bbc.jp

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