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  • 働き手はどこにいるのか? ~景気のミカタ~

2019.10.17

人手不足の裏側で、未活用労働は410万人とも・・

今回の景気のミカタでは、企業が人手不足と感じている一方で、
潜在的に活用可能な労働力の存在について光をあててみました。

高水準で推移する人手不足、企業の約5割で「正社員が足りない」

図表1 社員が「不足」している割合
帝国データバンクが毎月実施している「TDB景気動向調査」によると、2019年9月は企業の49.6%で正社員が不足していると感じていました。また、非正社員においても企業の約3割が不足と考えており、深刻な人手不足は高水準での推移が続いています(図表1)。

雇用情勢の実態を明らかにする「労働力調査」

図表2 未活用労働について
こうしたなか2018年5月以降、総務省「労働力調査」において雇用情勢をより多角的に把握する観点から、失業者に加えて、追加就労希望就業者および潜在労働力人口を「未活用労働」とした指標が公表されています(図表2)。

追加就労希望就業者とは、就業時間が週35時間未満の就業者のうち、もっと長い時間働きたい人や、今の仕事に加えて新たに別の仕事を増やしたい人のように、今よりも多くの時間を働きたいと考えている人のことです。具体的には、パートなどで働いている女性などでフルタイム勤務を希望する人や、生産調整などの会社都合で短時間勤務となっている人が含まれます。

また、潜在労働力人口とは、就業者でも失業者でもない人のうち、仕事を探しているがすぐには働くことができない人や、働きたいが現時点では仕事を探してない人といった、潜在的に就業することが可能な人のことです。具体的には、2週間以内に仕事に就くことが可能であり、かつ過去1カ月以内に求職活動を行った人のほか、すぐに仕事に就くこともできますが、自分に合う仕事がないなどの理由で求職を諦めた人(求職意欲喪失者)などがあげられます。

未活用労働410万人の衝撃

図表3 追加就労希望就業者
TDBが実施した調査によると、企業の37.5%が働き方改革に取り組んでいるほか、今後取り組む予定の企業(25.6%)を合わせると、6割超の企業が働き方改革への取り組みに前向きな考えを持っていることが明らかとなっています(帝国データバンク「働き方改革に対する企業の意識調査」2018年9月14日発表)。

総務省「労働力調査」によると、2019年4~6月期において、未活用労働のうち追加就労希望就業者は、女性を中心に180万人に達していました(図表3)。
図表4 潜在労働力人口
また、高齢者の割合が相対的に高い潜在労働力人口は40万人、さらに失業者190万人を加えると、今後の労働力供給余地を測る未活用労働は410万人にのぼります(図表4)。

このような状況下において、2019年4月からは働き方改革関連法が施行されました。働き方改革への取り組みは、人材の採用や定着、育成とともに、投資やイノベーションなど生産性向上も期待され、今後ますます重要性を増していくとみられます。

人口減少下で求められる未活用労働者を生かす効果的な取り組み

15~64歳の生産年齢人口は、今後20年で現在より約1,387万人、30年で約2,129万人減少すると予測されています(国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成29年推計)」、総務省「人口推計」2019年4月確定値)。
これからも人手不足は高水準な状態が続くと予想されますが、一方で、現時点において410万人もの人材が未活用のまま埋もれていることも事実です。

雇用情勢は着実に改善し、労働参加が進んでいます。また、優秀な人材の確保は、企業の成長に必須の条件です。しかしながら、とりわけ中小企業では人材の確保・定着が一層困難となっています。そのため、各社による効果的な採用活動に向けた取り組みとともに、政府には労働者の最適な移動を可能とする労働市場の整備や、未活用労働者を活用するきめ細かな政策の実施が求められるでしょう。

(データソリューション企画部 産業データ分析課 窪田剛士)

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