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  • 固定資産 中編(無形固定資産)|財務会計のイロハのイ

2021.09.07

初心者向けシリーズ「財務会計のイロハのイ」 Vol.8

前回は、貸借対照表に記載されている固定資産の中でも「有形固定資産」について説明しました。今回は、「無形固定資産」について、有形固定資産との違いや「のれん」という科目について、新入社員とともに聞いてみましょう。
先輩社員「さて、引き続き固定資産の部を見ていきますが、次は無形固定資産です。その名の通り、実体のないもののグループになります」

新入社員「ソフトウェアなどが計上されるんですよね?プロ向けのソフトだと、何十万もするものがあって驚きますよね」

先輩社員「オーダーメイドの基幹ソフトなんかですと、数千万円になるものもありますよ。そういったものも資産に計上し、耐用年数に応じて償却していきます。ちなみに、有形固定資産と異なり、貸借対照表への計上は償却額を差し引いた後の直接法しか認められていません」

新入社員「そうなんですね。固定資産を見るときに注目してみます。他にどのような無形固定資産科目があるのでしょうか?」

先輩社員「無形固定資産に計上されるものは、他に特許権や商標権、意匠権、借地借家権といった法律上の権利もあります。また、のれんという科目が多額に計上されることもあり、要注目です」

新入社員「のれん・・・ですか?なんでしょう?定食屋さんをくぐるときに掛けてあるのれんが思い浮かびました」

先輩社員「そうです、その『のれん』が語源の科目です。のれんは、以前は営業権とも呼ばれていました。超過収益力といって、ごくカンタンにいってしまうとお店のブランド力のようなイメージでしょうか」

新入社員「それは面白いですね!高級ブランドだとのれんの計上額が大きいのでしょうか?そもそも、どのように金額を見積もるのかも思い浮かびません」

先輩社員「自社はこれだけのブランド力があるから、100億ののれんを計上します、といったものは認められません。こういったパターンは自己創設のれんと呼ばれます。そして、のれんが計上されるのは、M&Aなどによって他社を購入したときとなります」

新入社員「買った会社の購入額が計上されるのでしょうか?」

先輩社員「いえいえ、購入先の会社も資産や負債を持っていますよね。仮に、その差額の純資産をその会社の価格と考えたときに、それ以上の金額を出して買った場合の差額がのれんになる、というイメージです」

新入社員「なるほど!確かに、計上されていた金額以上の価値、ということですね。のれんも償却するんですよね?」

先輩社員「そこなんですが、ブランド価値って時の経過によって減るのでしょうか?それとも、逆に価値が上がるかもしれませんよね?」

新入社員「なんだかわからなくなってきましたが・・・のれんも土地と同じように、非償却性資産なんでしょうか?」

先輩社員「日本の会計基準では、のれんは20年以内で規則的に償却するルールですが、国際会計基準では非償却とされています。ここは、のれんに対する考え方の違いが会計基準に出ているのですね。今日はちょっと踏み込んだ話題になってしまいましたね」

新入社員「確かに難しい印象ですが、そういったものも資産として計上されると知り驚きました。決算書の面白さが、少しずつわかってきた気がします」

先輩社員「いいですね。ぜひ、気になる企業があれば調べて決算書を見てみてください。上場企業であれば、誰でも決算書をネット上から見られますから、どんな資産が計上されているかに注目してみると面白いかもしれませんよ」

次回のテーマは、固定資産 後編(投資その他の資産)です。

ポイントの整理

①無形固定資産の計上方法は、有形固定資産と異なり、取得原価から減価償却累計額を控除した後の金額を記載する直接法のみが認められている

②超過収益力を意味するのれんは、日本基準では償却されるが、国際会計基準では非償却の科目である

もっと深く知りたい方は、こちらの関連コラムをご覧ください

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