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  • 営業力強化を考える(4.ターゲティング)

2015.11.11

第4回目のコラムでは「ターゲティング:売れる顧客の見つけ方」について、考えたいと思います。

1.マーケティングとターゲティング
 まず言葉の定義をしたいと思います。
「マーケティングとターゲティング」について、定義をしましょう。
世界的な大企業から街の八百屋まで、どんな企業でも営利組織ならば必ず、以下のことを実施しています。
すなわち『仕入れる⇒創る⇒売る』です。

 「より多くの顧客に、より多くの自社商品を、より高価格で売りたい」
 「現在お付き合いのある取引先との関係をより良好にしたい」
 「取引先との信頼関係を損ねないようにしたい」

 企業経営における「売る」という側面で、経営者は常に、上記のような「強化、安定、保守」を考えます。
 この「売る活動」を強化、安定、保守するための一連の施策を「マーケティング」と言います。一方、ターゲティングとは、マーケティングを実施する上で、「誰に」「何を」を具体的に検討することです。

2.ターゲティングのポイント

 ターゲティングで、まず押さえたいのは「我社の顧客は誰か?」「その顧客は我が社の何を評価してくれているのか」ということです。

 例えば近年「移動販売」のニーズが高まってきています。
大型ショッピングモールやコンビニエンスストアは「自分の足で動ける健常者」を対象としていますが、移動販売は「半径300メートル以内に、スーパーもコンビニも無いエリアに住む高齢者」を顧客にしています。
 対象顧客が異なることから、当然、大型ショッピングモールやコンビニエンスストアとは、品揃えが違いますし、提供するサービスも違います。
移動販売というビジネスでは、24時間営業の利便性よりも「定期訪問の安心感」が、顧客から選ばれる評価ポイントになっているのです。
 『顧客は、我が社の何を評価しているのか』をおさえることは、営業にとって極めて重要なことです。
顧客が、自社の何を評価して導入しているのかをおさえれば、どの顧客に売れそうかを考えることができるからです。ターゲティングではまず、「顧客の導入理由」をつかみ、次に「同じような理由で導入しそうな顧客」を考えます。
 顧客の導入理由は、同業界であってもバラバラな場合があります。例えばハンバーガーチェーンでは、「値段」「量」「味」「店舗の雰囲気」など様々な評価ポイントが考えられます。

 顧客の導入理由を掴むには、まずベテラン営業を集め、顧客は自社の何を評価しているのかを検討してもらい、次に実際に、導入している顧客にヒアリングをかけることで、導入理由が明確になります。
 こうした取り組みは、小売店舗などでは比較的行われていますが、B2B業界ではあまり行われていません。他社との差異化が難しくなっている今日、こうした「自分たちでも気づかない評価ポイント」を知ることは、大変に有意義です。

第5回は「ファースト・アプローチ:情報収集と仮説立案」についてご紹介します。


株式会社グローネス・コンサルティング 代表取締役 為広雅夫

 

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