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  • 「営業・本物のプレゼンテーション10」

2016.03.03

 【本物のサービスを考える】

 あるホテルにて母の日のイベントについての会議がありました。
 色々な意見の中から選ばれたのは「お部屋に置いた綺麗な絵葉書にお客様の母親あてにメッセージを書いてもらい、ホテルが切手を貼って投函するアイデアが採用されたそうです。

 このサービスの素晴らしい所は喜ぶ人が1人ではない所です。喜ぶのは①手紙をもらった母親、②贈った子供、③喜ばれ嬉しいホテルスタッフ。そして何よりもたった約150円で出来て喜ばれるサービスです。

 例えば一泊8,000円のホテルで150円の割引サービスがあったとして、どのくらいのお客様が喜ぶでしょうか?同じ150円の投資であればどちらが喜ばれるか、そして喜ぶ人の数はどちらが多いでしょうか?

 サービスは誰の為のサービスかが重要で、尚且つそのサービスを提案した新しい意見を取り入れる事が出来る社内の風土が大切なのかもしれません。

価値観とこだわり

 社内やお客様との間にある考え方の違いや意見の食い違い。これらは、それぞれの価値観とこだわりを手放せない事から起きる現象です。

 例えば社員研修の会場は普段の環境を変えてみようとテーマを決めた所、幹事二人の意見が分かれました。Aは海の近くの会場、Bは山の中の会場。それぞれが自分の価値観とこだわりを手放さずにいるといつまでも会場を決める事が出来ません。
 また、どちらかが折れる事により一方の意見に屈すると屈した方には負けた感が残ります。

 この場合の問題点は「研修会場をどこにするか」であって「勝った負けた」ではないはずです。すなわち双方が自分の価値観とこだわりを持ち続ける限り、本当の解決(成果)には至らないでしょう。

手放すこと

 二人が一旦それぞれの価値観やこだわりを手放すことにより、お互いの成果に向かうのです。
 「手放す」とは「捨てる」事ではなく、こだわりや価値観を一度手から離して他に置く事。そしてゴールは勝ち負けではなくお互いの成果、すなわち研修を効果的なものにするための会場選びが重要なのです。
 何のための打ち合わせなのか?ゴールが重要であることを忘れてはなりません。

 また、お客様との考え方の違いや意見の違いは、自らが先にこだわりを手放し、一歩相手に近寄る事によりお互いの成果に向かう事が出来た時、お互いが嬉しい結果(成果)に結びつくのだと言えるのです。

お互いの成果

 お互いの成果の為に必要なことは、自分の価値観や解釈を手放し、他人の気持ちに寄り添う事です。二宮尊徳の「たらいの水」にもあるように、自分の方に水を寄せると水は相手に流れ、他人のほうに水を流すと自分のほうに水は寄ってくる。

 この考え方と同様に、自らが互いの成果の為にこだわりと価値観を手放すことが何よりも大切なのではないでしょうか?

 勝ち負けではなく互いの成果の為に。

株式会社オーシャンズ
代表取締役 三井 裕

 

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