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  • “景気”とは何だろうか? ~景気のミカタ~

2019.05.23

国内景気は後退局面入りの兆しがみられる
図表1 全国の景気DI
帝国データバンクが実施しているTDB景気動向調査によると、2019年4月の景気DIは前月比0.1ポイント減の46.8となり、5カ月連続で悪化しました(図表1)。

4月の国内景気は、最大10日間となる大型連休中の人手確保にともなう人件費や物流費の増加が景気を下押しする要因となりました。加えて、新年度を迎えて公共工事の発注件数が減少するなか、大型連休や統一地方選挙などが悪材料となり工事関連が停滞したほか、さらに原油高を背景とした燃料価格の上昇はコスト負担増をもたらしています。他方で、4月の前半から中頃にかけては連休を控えた前倒し発注による出荷増や、旅行および外食など個人消費を中心とした需要拡大がプラスに働くこととなりました。また、新元号の発表を受けて一部の業種で特需が発生したことも特徴です。

総じて、国内景気は、大型連休などを背景としたコスト増や工事関連の停滞が響き、後退局面入りの兆しが引き続きみられる結果となりました。

“景気”とは何か?

上述した景気DIは、帝国データバンクが全国の企業へのアンケート調査を通じて独自に算出している、企業の景気判断を総合した指標です。景気DIは、50より上であれば景気が「良い」、下であれば「悪い」を意味しており、50が判断の分かれ目となっています。

私たちは、こうした指標をもとに、現在の景気状況や今後の景気に対する見通しなどを考えます。しかし、そもそも“景気”とは何でしょうか。
こう問われれば、通常は売買や取引などの経済活動の水準や勢いと答えることが多いのではないでしょうか。ただし、これだけでは「景気とは何か」という問いに対する回答として十分とはいえません。

“景気”は文化的な用語として誕生した言葉

図表2 「景気」の辞書的意味
そこで“景気”を広辞苑(第七版)で調べると、第一の意味として「様子。けはい。景況」、第二に「景観。景色」、第三に「和歌・連歌・俳諧で、景色や情景をありのままに詠むこと」などと続き、「売買・取引などの経済活動の状況」という意味が出てくるのは6番目です(図表2)。また、景況は「物事のうつりゆくありさま。そのあたりの様子」を表しています。

広辞苑では、複数の意味がある場合、もともとの古い意味から順番に記載していくルールとなっています。つまり、元をたどれば“景気”という言葉は経済用語として出てきたものではないのです。
“景気”とは風景画(山水画)など文化的な用語として誕生した言葉です。風景は、景気の強くみなぎった場所のことを指し、この景気とはあたりの景色の精力や力のことをいいます。そのため、風景が良いところには景気がみなぎっている、ということになるのです。

“景気”は経済の活力を表すバロメーター

そこから転じて、経済的側面からみた「風景」が売買や取引といった経済活動にあたり、「景気」は経済活動に対する人びとの精力や力を意味します。したがって、経済活動という「風景」には、人びとの精力や力という「景気」がみなぎっていることを表しています。それゆえ、“景気”は経済活動の活力を表すバロメーターなのです。

また“景気”は心理的要因によっても大きく左右され、経済活動が活発化するためには多くの人のマインドが改善していかなければなりません。そして、マインドの改善がまた経済に好循環を生むことになるのです。しかし、人びとの意識は相対的なものであり、たとえ経済活動が高い水準にあったとしても、潜在的にはもっと出来るはずだと考えていれば、マインドは低くなりがちです。

ただし、“景気”は特定の事象を指すものではなく、漠然と世の中に漂う雰囲気ともいえ、捉えどころがないものでもあります。TDB景気動向調査は、この景気に対する企業経営者の意識を捉えることを通じて、経済活動の状況を理解することを企図しています。これによって、より良い日本経済に貢献する一助となれば幸甚です。

(データソリューション企画部 産業データ分析課 窪田剛士)
本コラムシリーズで紹介する景気DIや見通しは、ビジネスを展開する企業の
皆さまの声の集まりです。
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審議等でも取り上げられ、政府や官公庁など政策立案にも生かされています。
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