プロチームとしての変化と躍進 サンロッカーズ渋谷
2019.08.06
プロチームとしての変化と躍進 サンロッカーズ渋谷(東京都渋谷区)
2015年にバスケットボールのプロリーグ「Bリーグ」が発足したことで、株式会社日立製作所の実業団であった日立サンロッカーズ東京を改め、サンロッカーズ渋谷が誕生した。実業団からプロチームに転向したということは、法人として独立するということだけでなく、運営面や存在意義も大きく変わる。プロチームとして4年目を迎えるサンロッカーズ渋谷を取材した。 (東京支社 情報部)
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渋谷との共存
こうした地元貢献の活動が認められ、支援者も年々増えている。渋谷区内の商店街や、渋谷で事業を営んでいる経営者らからも「サンロッカーズ渋谷を応援したい!」との声が集まり、様々なコラボレーション企画が実現している。メキシコ料理のタコベル道玄坂店では、パブリックビューイングで試合観戦できるイベントを開催。飲食店の集客にもつながるとして、喜ばれている。
また、渋谷駅の発展とともに成長してきた東急百貨店とのコラボレーション企画も開催。東急百貨店 渋谷・本店、渋谷駅・東横店、渋谷ヒカリエといわゆるデパ地下にて、お弁当の特設販売場を設けた。身体をつくるお肉たっぷりのボリューム満点弁当や、お酒好きの選手が薦めるビールに合う丼ぶりが集客の目玉となった。このほか人気だったのは、日々の体型維持に余念がないサンロッカーズガール(チアガール)がお薦めするヘルシー丼。カロリー控えめで栄養バランスが整ったこの丼ぶりは、女性客への販売が好調だったという。
サンロッカーズ渋谷を支える企業
チームの魅力
日々、選手たちは試合に勝つために、過酷な練習を乗り越え、コート上で最大限のパフォーマンスをしている。そのため、アリーナで見る試合は見応えも満点だ。例えば、2016年までNBAのレイカーズでプレーしていたロバート・サクレ選手のポストプレーは圧巻だ! 迫力満点のスラムダンクを魅せたかと思えば、華麗で軽やかなフックシュートも使いこなす。まさに剛柔合わせ持つプレイスタイルは、見ていて飽きることが無い。
また、選手のバックヤードを知ると、よりプレーに重みを感じられる。ガードのポジションを務める山内盛久選手(写真)は、身長175センチ。バスケットボール選手としては決して恵まれた体格ではなく、練習生からこのバスケ界、プロにのし上がったが、bjリーグ時代の琉球ゴールデンキングスに所属し、3度の優勝に貢献した。しかし、Bリーグ2シーズン目には契約満了となり退団。現在はサンロッカーズ渋谷に移籍している。家族を沖縄に残してでも、バスケットボールをプロで続けるという選択をした。3P(スリーポイントシュート)など飛び道具を駆使するガードポジションとしての働きだけでなく、果敢なドライブでポスト内に侵入しスコアを決めるプレースタイルには、なぜか目頭が熱くなる。現在は膝の故障により前線を離れているが、「少しでも早く復帰して本来の姿を見せてほしい」というファンの声に応える姿を見てみたい。
野球やサッカーと同じように、プロスポーツ選手として生きていく人間の様は、感動を与え、人を励ます力がある。サンロッカーズ渋谷は、初代Bリーグ覇者である栃木ブレックスや、チャンピオンシップ常連の千葉ジェッツがいる激戦区の東地区という事もあり、残念ながら勝率は思うように伸ばせていない。しかし、決して順風満帆ではない自分の人生に照らし合わせ、思い重ねながらサンロッカーズ渋谷を応援するファンが大勢いる。
バスケットボールのこれから
振り返れば、リーグ統合からわずか3年の間に、Bリーグの各チームで、それぞれのドラマが生まれている。いずれも多くの人や企業に支えられながら、プロのスポーツチームとして、誰かを励ますようなプレーや活動で、その存在感を示している。これからは、野球やサッカーと同じように、日本でもメジャースポーツとして、バスケットボールが社交場で飛び交う話題になっていってほしい。
■運営会社 株式会社日立サンロッカーズ
■所在地 東京都千代田区丸の内1-6-6
■ホームタウン 東京都渋谷区
■ホームアリーナ 青山学院記念館
■資本金 6000万円
■設立 2016年4月
■代表 岡 博章 氏
■https://www.hitachi-sunrockers.co.jp/