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  • 2022年の国内景気、“原材料高”が最重要キーワード~景気のミカタ~

2021.12.17

2021年の国内景気は緩やかな上向き傾向で推移しましたが・・・

今回の景気のミカタは、2021年の国内景気を振り返りつつ、2022年の最重要キーワードとして挙げられる「原材料高」に焦点をあてています。

2021年の国内景気は緩やかな上向き傾向で推移

2021年もあと少しとなってきました。年明け早々に1都3県の緊急事態宣言発出で始まった今年は、何度も感染拡大に直面しながらも7月の東京オリンピック・パラリンピックの開催にこぎつけるなど、国内景気は上向き傾向で推移しました。その後、ワクチン接種が急速に広まるなかで感染者数が急減、9月末で緊急事態宣言およびまん延防止等重点措置も解除に至っています。
図表1:景気DIの推移
また直近の景気については、帝国データバンクの景気動向調査[1]によると、2021年11月の景気DIが3カ月連続で改善しました(図表1)。新型コロナウイルスの感染状況が落ち着きをみせ、外出機会の増加にともない個人消費関連の景況感が押し上げられたことが要因となっています。また、半導体製造装置などは好調を維持したほか、「メーカーが半導体部品を入手できるようになった」など、一部大手では自動車に搭載する半導体不足の影響が少しずつ和らいでいるとの意見も聞かれます。

しかし一方で、丸太の国内価格が直近の最低価格となっていた2020年6月から約5割上昇するなど、木材・鉄鋼や石油製品の価格高騰などで仕入単価の上昇が続いています。また、海外での新型コロナウイルスの感染拡大などによる供給制約の影響などはマイナス要因となっていました。

2021年の国内景気は、人の流れが大きく制約され厳しい企業活動が続きましたが、新型コロナウイルスの感染減少とともに緩やかな上向き傾向を示すこととなりました。

それでは2022年の景気はどのようになるでしょうか。

2022年の国内景気、「原材料高」が最重要キーワードに

図表2:景気見通しの推移(2018年~2022年)
帝国データバンクが全国の企業およそ2万4千社に行ったアンケート調査[2]によると、2022年の景気について「回復」局面になると見込む企業は22.3%となりました(図表2)。昨年に実施した2021年の見通しから8.5ポイント増加し、2018年見通し(20.3%、2017年11月実施)以来の2割台へと上昇しました。

「回復」と見込む企業を業界別にみると、『サービス』(25.9%、前年比10.7ポイント増)や『製造』(25.0%、同7.7ポイント増)が高くなっています。特に『サービス』は、2021年が厳しい一年だった「飲食店」(37.7%、同24.7ポイント増)や「旅館・ホテル」(32.6%、同17.4ポイント増)、「娯楽サービス」(29.0%、同15.2ポイント増)など、個人向けサービスの見通しが大幅に上向くこととなっています。

北海道の西洋料理店からは「ゴルフ場のレストランを経営、ここ2年間は大きなコンペがほぼ消失してしまい大きな痛手を被っていた。2022年は企業コンペが復活すると予測しており例年並に売り上げが回復する見込み」といった声があがっています。また、愛媛県のホテル事業者からは「感染拡大が急速に落ち着き“修学旅行をするなら、今”という空気のなか10~12月は修学旅行の受け入れラッシュ状態。一般のお客さまの動きも活発化してきており、忙しい日々」などの意見も聞かれ、厳しかった一年から2022年に向けて大きな期待を寄せている様子がうかがえます。

しかしながら、喜んでばかりいられないリスク要因も高まっています。そのなかでも特に「原油・素材価格の上昇」を懸念する企業が急増していました。2022年の景気に悪影響を及ぼす懸念材料として、原材料高を懸念する企業は昨年の7.3%から今年は82.5%へと、実に11倍に達しています。実際に、「原材料が大きな負担。値上げ申請をしても、回答が遅れ満額回答を得られないことが度々あり、大変な負担で困っている。人手不足を補うため賃上げを予定していたが、この原材料価格の値上がりのため見直す必要がでている」(銑鉄鋳物製造、群馬県)など、切実なコメントも寄せられています。

「原材料高」は2022年の景気を探るうえで最も注視すべきキーワードとなるでしょう。足元で回復しつつある景気を再び悪化させないためにも、資源高や材料不足などへの対応は待ったなしの状況といえるのではないでしょうか。


[1] 帝国データバンク「TDB景気動向調査2021年11月」(2021年12月3日発表)
[2] 帝国データバンク「2022年の景気見通しに対する企業の意識調査」(2021年12月14日発表)

(情報統括部 産業情報分析課 主席研究員 窪田剛士)

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