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2023.09.28

TDB特別企画レポート|旬の話題を掘り下げてお届け

平均弁済率は過去最低の8.6%
~ 少額弁済は「10万円」が最多 ~

はじめに

民事再生法は再建型の法的手続きとして2000年4月に施行され、20年以上が経過した。申請法人の負債額上位を見ると、リーマン・ブラザーズ証券やマレリホールディングスなど大きくニュースで取り上げられた企業や、タカタやそごうなどの申請当時東証1部(現:プライム)に上場していた企業もある。運用がスタートしてから20年以上の時を経るなかで、規模や業種を問わず、再建型倒産手続きのスタンダードとなっているのは間違いない。
施行直後は年間で900件を超える企業の民事再生法適用が判明していたが、近年は全体の倒産件数自体の減少もあり民事再生法の適用を申請する企業も大幅に減少している。

そこで、帝国データバンクでは、2021年1月~2022年12月の2年間に再生手続き認可決定を受けた企業について調査し、再生計画の内容が判明した47社を対象に、一般再生債権の弁済率、弁済期間、少額弁済額の分析を行った。なお、本調査は2018年12月発表に続き4回目。

調査結果(要旨)

・2021年~22年に再生計画認可決定を受けた企業のうち、弁済率が判明したのは47社で平均弁
 済率は8.6%。100%弁済を行ったケースもある一方で、弁済率1%以下のケースも散見される
 など、大きな差が見られた
・2021年~22年に再生計画認可決定を受けた企業のうち、一般再生債権弁済完了までの期間が
 判明したのは39社で、1年かからずに弁済を完了させたケースが28社(一括弁済含む)と70% 
 を超える一方で、最長となる「10年」は全体の15.4%にのぼった
・2021年~22年に再生計画認可決定を受けた企業のうち、少額弁済(一定金額以下は全額弁
 済)の有無が判明したのは46社。うち、8割を超える39社で少額弁済を行っていた

1.弁済率別分布 -7割以上が10%未満

2021年~22年に再生計画認可決定を受けた企業のうち弁済率が判明したのは47社で、平均弁済率は8.6%となった。前回調査時の15.3%から6.7ポイントダウンし、過去最低となった。内訳を見ると、50%以上弁済を行ったケースもある一方で、弁済率1%未満(7社)のケースもあるなかで、大きな差が見られた。
弁済率分布は、「10%未満」が36社(構成比76.6%)で最多となり、30%未満で全体の9割を占めた。

2.一般再生債権弁済完了までの期間 -1年未満が7割を占める

弁済率が判明した企業のうち、一般再生債権の弁済が完了するまでの期間が判明した39社をみると、一括弁済を含む「1年未満」が28社(構成比71.8%)で最も多かった。次いで、法律上の最長弁済期間となる「10年」が6社(構成比15.4%)となった。
事業の一部もしくは全部を別会社に譲渡したうえで、旧会社を清算させる“清算型”民事再生法の活用が増えていることも、一括弁済を中心とした「1年未満」に該当する比率が高まった要因といえる。

3.少額弁済額 -「10~30万円未満」が最多

少額弁済の有無が判明した46社のうち39社が少額弁済を実施しており、実施率は8割超にのぼる。金額についてみると「10~30万円未満」が26社(構成比56.5%)で最も多く、このうち10万円が22社を占めた。
債権者に配慮したスムーズな手続きを目指すため、多くのケースで少額弁済を実施したと考えられる。

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