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  • 負債の部 後編|財務会計のイロハのイ

2021.11.02

初心者向けシリーズ「財務会計のイロハのイ」 Vol.12

前回は「負債の部」の概要や借入金、引当金などを説明しました。
今回は、商品・サービスの提供前に受け取る「前受金」「前受収益」「仮受金」を中心に、その科目の内容や注意したいポイントを紹介しています。
先輩社員「では引き続き、もう少し『負債の部』について掘り下げていきましょう。前回は、営業債務と借入金、引当金といった負債について紹介しましたが、商品やサービスの提供前にお金を受け取ったときに計上される『前受金』も負債の科目となります」

新入社員「支払義務が残っているというわけではなく、この場合は商品等を提供する義務が残っている科目ですね」

先輩社員「そうなります。また、『前受金』は営業取引に関わるもので、それ以外の一定の契約に従い、継続して役務提供を行うケースにおいて、まだ提供していない部分に対する支払をうけたものは『前受収益』といった科目になります」

新入社員「『前受金』はイメージできるのですが、『前受収益』はどのようなケースで発生するのでしょうか?」

先輩社員「例えば、会社の敷地の一部を駐車場として貸しているとしましょう。月末に賃料をもらいますが、それが1日~31日ではなく、15日締めだった場合をイメージしてみてください」

新入社員「わかってきました。翌月の1日~15日までの分は、さきにお金をもらっている、ということになりますね。この部分はまだ収益に計上してはいけない、ということですね!」

先輩社員「正解です。一方で、決算月の16日~月末までが『不動産賃借料』などとして収益に計上されることで、切り分けがされるということです。きちんと期間損益計算を行うための考え方ですね。ちなみに、似たような負債科目に『仮受金』というものがあります。これは、なぜ入金されたのかわからないといったケースに用いる一時的な科目で、決算のタイミングで然るべき科目に修正されるべきものです」

新入社員「修正されているべき『仮受金』が決算書に多額に計上されていれば、その理由や背景を確認したい注意すべきケース、ということですね。覚えておきます」

先輩社員「さて、前回お話しした引当金は、将来発生しそうな費用や損失を先に計上する科目でしたよね。今回の『前受収益』とあわせて、なんとなく損益計算書と貸借対照表が関連している、というイメージがわいてきたのではないでしょうか?このような着眼点を鍛えていくと、帳票間のつながりがわかってきて、決算書を見る力が伸びていきます」

新入社員「それぞれの科目を見るときに、今後は収益になるのか、費用になるのか、はたまた現預金の増減か、など考えていくとその会社の今後も少し見えてきそうですね」

先輩社員「その通りです。では少し時間があまりましたので、もう一つ『預り金』という負債科目についても紹介しておきましょう」

新入社員「その名の通り、誰かからお金を一時的に預かっている科目ですよね?どんなものがあるのでしょうか?」

先輩社員「毎月、会社が従業員から預かっているものがありますよ。ご自身の給与明細を思い出してください」

新入社員「確かに!私の給料から源泉徴収された所得税などが引かれています。会社が代わりに納付するので『預り金』として負債に計上されるんですね」

先輩社員「勘定科目はわかりやすいように『従業員預り金』などで表示されるケースもあります」

新入社員「おおむね負債の部のイメージもつかめてきて、貸借対照表がわかってきた気がします。ですが、次回からは一番苦手な『純資産の部』でしょうか…。耳慣れない科目が多くて、いつもどのように見れば良いかわからなくなります」

先輩社員「全体像をお話ししたときに、負債は『他人資本』、純資産は『自己資本』というキーワードが出てきましたよね。あまり難しく捉えすぎずに、まずは純資産の部は金額が大きければ良いグループというのを念頭に置いて話をきいてもらえると良いでしょう。引き続き、頑張っていきましょう!」

次回のテーマは、純資産の部 前編です。

ポイントの整理

①商品やサービス提供前に支払いを受けた場合は「前受金」が負債に計上される。
②一定の契約に従い、継続して役務の提供を行う場合、いまだ提供していない
 役務に対し支払を受けた場合は「前受収益」が負債に計上される。

関連コラム

今回紹介した「前受金」は、建設業では「未成工事受入金」といった科目になります。
ほかにも、建設業独特の勘定科目の呼称がありますので、確認したい方は以下のコラムをご参照ください。
企業審査人シリーズvol.143:建設業会計の話 ~工事再開?~

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