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  • 決算書はどう作られる?|財務会計のイロハのイ

2022.11.08

初心者向けシリーズ「財務会計のイロハのイ」 Vol.36

財務会計の基礎知識を一通り解説してきました。今回は、原点に戻り決算書がどのように作られるかを「複式簿記」の仕訳方法を具体例にあげて解説しています。そもそも「複式簿記」や「仕訳」とは?と疑問を持っている方も、ぜひコラムを確認して知識を増やしていきましょう。
先輩社員「財務会計の基礎知識固めとして、一つずつ順を追って説明をしてきました。ここまでで、何か確認しておきたいことや気になることはありますか?」

新入社員「できあがった決算書から見方を学ぶうちに、どのように作られるのかが気になるようになりました。決算書を作り上げるのは、主に経理の担当のお仕事でしょうが、結構大変そうですよね」

先輩社員「そうですね。簿記の世界になりますが、取引を丁寧に『仕訳(しわけ)』を起こして記帳し、積み上げて決算書を作り上げます。つまり、取引ごとに決算書のどの項目がいくら変わるのか、勘定科目と金額をメモしていくわけです。今はパソコンに記録していきますが、一昔前はノートに記帳していたわけですから、貸借を合わせるのも一苦労だったでしょうね」

新入社員「仕訳について、もう少し具体的に教えてください」

先輩社員「勘定科目は、貸借対照表の資産、負債、純資産および、損益計算書の収益、費用のいずれかに分類されます。例えば、単純に商品100円分を現金で売ったらどのような勘定科目に変化があると思いますか?」

新入社員「商品が100減って、現金が100増えるということですよね。でも、商品は資産科目で期末に棚卸をするわけですから、売上100を計上して現金が100増える、であっていますか?」

先輩社員「正解です。現金の増加は借方科目として左側に、売上は貸方科目として右側に計上すると、『現金 100/売上 100』と記帳できます。これが一つの仕訳というわけです。仕訳の左右、つまり貸借の金額合計は必ず一致します」

新入社員「なるほど。この仕訳を積み上げると、貸借対照表や損益計算書といった財務諸表が作られるわけですね。決算書を見るときはあまり意識しませんが、改めて考えてみるとすごい発明ですよね」

先輩社員「そうですね。ちなみに、このような記帳方法を複式簿記といいます。あらゆる取引を借方と貸方に分類して記録を積み重ねることにより、財務諸表を正しく作ることができるわけです。ちなみに、現金の出入りのみ記録する単式簿記という方法がありますが、お小遣い帳レベルにとどまってしまいます」

新入社員「企業の経理担当の方は個々の取引を丁寧に拾っていかなければならないわけですが…、どのように記帳漏れを防ぐのでしょうか?」

先輩社員「例えば、仕訳を入力していく時は、まずは売上帳や発行した請求書、そして仕入帳やもらった請求書をベースに打っていき、次に通帳、そしてレシートベースの小口現金の入出を打っていきます。それぞれの月末の数字に矛盾がないか、チェックしていくような流れになるでしょう。一気に一年分を入力するのは、チェックも大変でしょうから、月次試算表を作成して、最後に決算整理をして帳簿を締めるのが一般的です」

新入社員「決算整理というのは棚卸とかですよね?」

先輩社員「そうですね。減価償却費を計上したり、最終的な利益に対して税額を求めて計上したり、決算整理も一大イベントで大変だと聞きます。もしかしたら、将来、うちの会社の経理課に異動になるかもしれませんよ?」

新入社員「ようやく自分の家計簿をつけられるようになったレベルの私では足を引っ張ってしまいそうです」

先輩社員「もし税務調査が入ったときは、その対応もしなくてはなりませんし、大きな会社になってくると、監査への協力が必要です。正しく処理がされているか、厳しい目が時に入りますからね。緊張の連続かもしれません」

新入社員「そうなんですね!まずは、しっかり決算書を読めるようになりたいと思います。税務の知識も必要となってくると、勉強すべき範囲が広くて大変そうです」

先輩社員「では次回は、税務会計についても少し紹介したいと思います。決算書と税務は切っても切り離せない関係性がありますからね」

ポイントの整理

・一般企業が採用している、各取引を借方と貸方、つまり資産、負債、純資産、収益、費用に分類して仕訳し、記帳する方法を「複式簿記」という。

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